スーパーマリオRPG 二次創作「ローズタウン、冒険者の休息の町」

 


「マリオさん、お泊りですか?  お金なんてとんでもございません!トイドーと遊んでいただいたのに!」


スターピース探しの冒険を続けるマリオたちは再びローズタウンを訪れた。

異世界から来た敵・ユミンパから解放されたローズタウンだが、この宿の主の息子であるトイドーはジーノの人形の持ち主だったこともあり、時折休息を兼ねてやってきているのだ。


マリオたちがローズタウンで休息をとっている頃、そのすぐそばの迷いの森をさまよっている冒険者の姿があった。


「困ったな、どうやら迷子になってしまった。」


その冒険者の名前はリンク。ハイラル王国のゼルダ姫に使える騎士である、愛馬のエポナとともに遠くハイラルからキノコ王国を訪れていた目的は・・・・


「ピーチ姫に直接会って、国書を渡さないといけないのだがここもハイラルのように魔物が徘徊しているようだ。」


キノコ王国とハイラル王国の友好関係を持つためにリンクは使者としてやってきたのだ。

本来ならゼルダ姫自らが赴くところなのだが、ハイラルはガノンドルフとの闘いによる復興の最中であり国の要であるゼルダがハイラルを離れることがすぐにはできない状況だった。


そんな最中リンクが乗るエポナが何かに気付いた。


「どうした、エポナ?あれは・・・」

リンクの目には迷いの森の中で集まっているモンスター・アローたちが集結していた。

少し前にマリオたちに倒されたユミンパの部下の生き残りたちだった。


「いいか、ローズタウンにあの髭の親父たちが休んでいる。今こそユミンパ様の仇をとるんだ!」


「どうやら町を襲うつもりのようだ、行くぞエポナ!」



「いらっしゃいませ・・・大丈夫ですか?」

「ええ、かすり傷なので大丈夫です。泊まりたいのですが?」

「ええ大丈夫ですよ。ほかのお客様もいますから相部屋になりますけど。」


アローたちを倒しリンクはローズタウンにたどり着いた。

戦いの中でかすり傷を負い、服が一部破けている。


「お金はいくらですか?」

「いいえお金は結構です。あなたも冒険者ですよね、ここは冒険者たちの旅を疲れをとるための休息の町ですから。」


そういう言われ、リンクは宿の二階の部屋に入った。

そこには宿の主が言うように数人の客が既にベッドで寝ている。

特にひとりは髭をはやし、帽子をかぶったまま寝ている。


リンクも未知の王国での冒険で一気に疲れがやってきてベッドで倒れるように眠ってしまった。




翌日、リンクが目を覚ますとほかの客の姿はもうなかった。

一階に降りると外からトイドーの声が聞こえていた。


「じゃあね、ジーノ!また遊ぼうね!」


そろそろ自分もここを出て、キノコ城へと向かわないとならない。

「あのこれ、昨日の破けていた服直しておきましたから。」

「ありがとうございます、何から何まで。」

「いいえこの町の人達は冒険する人たちの手助けをするのが嬉しいんですよ。それじゃあお気をつけて、旅の無事を祈っています。」


エポナに乗り、リンクはキノコ城を目指す。

「ローズタウン」 この町は奥に迷いの森、左右にパルプダンジョンとキノケロ水路といったモンスターの巣窟に囲まれている、そして旅に疲れた冒険者たちにとっての休息の町でもある。



THE END