大切なのは使命か音楽か・・・ウルトラマンブレーザー第9話「オトノホシ」

 

ウルトラマンブレーザー第9話「オトノホシ」はウルトラQの名怪獣ガラモンが登場し、さらにゲスト出演者には雅楽家で有名な東儀秀樹氏が出演し、豪華かつ異色な神回となっております。



ある日、アンリの家のポストにコンサートのチケットが入っていた。

それは10年前に出会い、親交のあったアマチュア音楽家・ツクシホウイチが率いる楽団からであった。



一方、SKaRDでは前回のニジカガチ戦で全身修理が必要になったアースガロンの修理に追われていた。(最近出てこないハルノ参謀長の24時間以内に修理完了の命令が出た為)

そんな中ゲント隊長の体をブレーザーが勝手に動かして、ヤスノブの野菜ジュースを勝手に飲むなどブレーザーが次第に自らの意思を見せ始めていた。(ちなみにゲント隊長は野菜ジュースが苦手)



その夜、何かの襲来を待つツクシたち・・・それぞれが抱える思いとは


そして多摩川に隕石が落下、ゲントとヤスノブがアースガロンに乗り込み、アンリたちが現場で隕石を調査することになった。

誰もいないコンサートが始まると隕石からロボット怪獣ガラモンが出現。
(ちなみにここで演奏されている曲がウルトラQのオープニングテーマ、東儀さんによる編曲バージョン)



ガラモンの機敏な動きとレーザーでさえ跳ね返す特殊装甲に苦戦している中、アンリはガラモンを操っている音波の正体が音楽であることに気付き、コンサートの会場に急ぐ。


初見で驚いたのがガラモンの背中の棘がアースガロンのコクピット内に突っ込んできて危うくヤスノブに刺さりそうになる場面、本当にびっくりした。

コンサート会場に到着したアンリにツクシは自らの正体を明かす。
彼らの正体は地球の資源を破壊・奪うことが目的で派遣されたセミ人間だったのだ。


60年前(ウルトラQもこの頃、そしてモノクロ映像の回想シーン)に地球に派遣された彼らはガラモンを呼び寄せる装置を起動させ、それを待つだけだった。



しかしそんな最中、彼らはたまたま蓄音機から流れた音楽を聴いて、すっかり音楽にほれ込んでしまったのだ。
(ここで色がついてくる演出も良い、さらにこの魅了されている4人の顔が忘れられない)


そしてとうとう自分たちで演奏するまえになっていた。
しかし装置を起動してしまっていたのでガラモンが来ることは避けられなかった。

何とか演奏を止めようとするアンリをツクシ以外の3人が止めようとする。(これが本気で止めようとしていないところがまた物悲しい)


アンリはコンサートのチケットを送ったのは防衛隊の自分に止めてほしかったのではないかと問う。それでも何も答えずに演奏を続けるツクシの顔が悲しそう、この表情が一種の答えなんだと思う。


そして鳴り響く銃声、演奏が止まりガラモンの動きが止めり、口から液体が流れ出る。
倒れこんだツクシの右手は撃ち抜かれており、セミ人間の手に戻っていた。


全てが終わり安堵したかのようなツクシ、悲しみをこらえ涙を流しそうなアンリ。
音楽を愛したが、故郷の星の役割で破壊者にならなければならなかったツクシたち、秋田から上京してから互いに分かり合える音楽で親交を深めていた親しき人の演奏家としての命である腕を撃たなければならなかったアンリ。

「この宇宙に音を出す生物はたくさんいる。でも・・・君たちは・・・音を・・・音楽を純粋に楽しむことができる。消えてしまわなくて良かったよ・・・・ありがとう。」

楽団の解散を宣言し、ツクシの姿は幕が下りて見えなくなる。

エンディングはモノクロ映像とウルトラQのメインテーマのアンコールです。
9話の中で演奏された「風の出逢い」「ウルトラQメインテーマ」「チルソナイト創世記」は東儀秀樹さんのTwitter、YouTubeチャンネルでも東儀さんと一緒に出演されたご子息と演奏された動画がございますので興味を持たれたらお聞きになってください。




今回の話は予想以上に切なくてもの悲しい展開だった。
これはガラモン登場回のウルトラQの回を見ると理解度や解像度がまたあがるので未見の人はぜひウルトラQも観てください。

個人的にはですがツクシさんたちが再び音楽を奏でられる日が来ることを願います。
これほど何かを純粋に好きになることの良さを知るとはなぁ・・・